電気技術者の技術力と資質の向上をサポートします。

研修会・見学会
公益社団法人電気技術者協会関東支部では、年度活動計画に基づき、「体験実習・見学会」「講習会」「セミナー」を開催し、会員間のコミニュケーション、技術の向上に大きな成果を上げており、会員の方から好評を得ています。

PAS(UGS)の操作体験と地絡時動作原理研修会


 

1.高圧受電設備の操作・保守体験

本研修では、受電設備の実物と単線結線図からの各機器の配置と役割を解説します。
次に、受電設備に使用されている各種の開閉器や遮断機の「投入」「開放」の操作体験や保護継電器の様相と復帰などをしていただきます。また、過電流を流した時の電線への影響実験や耐圧試験器での絶縁物の耐圧限度測定等を行います。
見て、動かして、機器操作の体験や様々な実験などから、電気そのものを理解し、自身の安全確保の礎になるような研修です。カメラをご持参いただけますと記録に残せます。


2.保護継電器の取扱い実技

本研修では、受電設備に取り付けられている保護継電器の動作試験を体験し、試験装置や試験の方法に慣れていただくことを主眼に置いた研修です。最初に、保護継電器の原理・特性・取扱いを解説し、その後、少人数の各班に別れ、各種継電器の測定試験を繰り返し行い、「保護継電器試験器」や「位相特性試験器」の取り扱い方を会得します。
また、測定器の取り扱い以外に、継電器のタップ整定などについても学ぶことができます。
さらに、試験装置器の内部回路と非試験器継電器への結線など黒板に図面表示し、詳しく説明いたします。カメラを持参いただけますと記録に残せます。


3.比率差動継電器の仕組みと特性試験

本研修では、比率差動継電器の原理と仕組みをしっかり理解していただき、変圧器の結線方法によって異なる変流器二次回路についても詳しく解説していきます。
比率差動継電器は、変圧器の内部故障の検出に用いられる保護継電器で、特別高圧の故障検出には必ず用いられています。
実際の比率作動継電器の特性試験も行い、初歩的なことから解説するので、初心者の方でも十分に理解できます。


4.絶縁抵抗測定と接地抵抗測定及び耐圧試験の実施方法

本研修では、電線路の絶縁抵抗の算出根拠及び絶縁抵抗の測定法について勉強し、漏電遮断器の動作原理を学びます。また、接地工事の種類と目的について勉強し、接地抵抗測定の原理を理解した上で、測定器を用いて接地抵抗の測定を行います。
また、高圧受電設備の絶縁耐力試験を実際に行い、実施手順及び実施方法並びに注意事項等について学びます。カメラをご持参いただけますと記録に残せます。


5.電気設備技術基準とその解釈研修

本講習会では、電気設備技術基準について詳しく解説すると共に、至近年に改正された電気主任技術者関連法規の動向等について紹介し、分かり易く解説いたします。
主な項目は、
  • 電気事業法と技術基準、保安原則と用語の定義、電線の性能と規格、電気機械器具危険防止
  • 電気設備の接地、異常時の保護、発変電所等、架空・地中電線路等
  • 電気設備基準・解釈の改正、分散型電源の系統連系、電気使用場所の施設、国際規格取入れ等


6.過電流継電器及び地絡継電器の特性試験と保護協調

本研修では、高圧受電設備で必ず使用されている過電流継電器と地絡継電器を取り上げ、その役割と動作原理を勉強した上で、実際の過電流継電器及び地絡継電器の特性試験を行い、保護協調曲線と過電流継電器のタップとレバーの整定の仕方について勉強します。
また、遮断器のトリップ方式も実験を踏まえ理解できるように勉強していただきます。
カメラをご持参いただけますと記録に残せます。


7.高・低圧設備の雷害予防研修

例年夏になると、雷による各種被害が話題となっています。最近では電気設備への被害が多くなり、電気主任技術者としての取組みが迫られています。
その背景として、最近の電気設備は工場、ビル、各種プラント設備をはじめ、一般家庭にまで電源線と通信並びに情報回線とがネットワークで構成されており、その中心となる電子機器は強電の電力機器から弱電の通信機器まで幅広く組み込まれています。
このように高速大容量化とともに低電圧化が進み、これが雷害を招く要因ともなっています。
また、ネットワークを通じて被害が広範囲に及ぶのも最近の特徴となっています。
本研修では雷害の発生要因とPAS を含む自家用設備の雷害例とその対策及び最近事故の顕著な低圧、弱電設備の事例を詳しく解説します。


8.電気計算の基礎と応用

太陽光発電や風力発電などが電力系統に連系され、電力系統が複雑化してきた今日、系統で発生した事故(1 線地絡事故、2 線短絡事故)時、系統にどのような事故電流が流れるかを知ることが重要な課題になっています。
このような事故時の電流や電圧を求めるため、色々な回路計算が用いられています。
この研修会では、簡単な三相交流系統をモデルに「キルヒホッフの法則」、「鳳テブナンの定理」及び「対称座標法」等を用いて主要部分の事故電流及び事故時の電圧を求めます。
事故時の電圧及び電流を知ることにより、事故の種類を解明でき、どの場所にどのような保護継電器を設置したらよいかが理解できます。


9.PAS(UGS)の操作体験と地絡時動作原理説明

高圧気中開閉器(PAS)や地中線用ガス開閉器(UGS)は、高圧自家用電気工作物の事故による波及停電を防止する最も有効な手段として設置されています。
また、構内にPASまたはUGSが取り付けてない場合は、構内以外の事故なのに遮断機がトリップして、停電(もらい事故)を招くこともあります。
本研修会では、地絡方向継電器(DGR)の原理及びPAS(UGS)の動作特性を徹底的に勉強し、電力側電源との動作協調等の理解を深めます。
東京電気技術教育センター代表の塚崎秀顕氏の懇切丁寧な指導の下で、座学のみではなく、実際のPASやUGSの操作や動作確認等を体験していただき進めます。


10.不足電圧継電器の試験と停電時の動作

商用電源が停電した場合、不足電圧継電器が動作して非常用自家発電機が始動して構内に電力を送りますが、その動作過程を簡単なシーケンスをもとに説明をしていきます。
また、停電時の対応の仕方、復電時の対応の仕方などについても説明をしていきます。
さらに、不足電圧継電器の特性試験も行い、不足電圧継電器動作原理も理解していただきます。
なお、カメラをご持参いただけますと記録に残せます。


11.シーケンス制御の基礎と配線実習・応用、設計 

この研修では、初日にマグネットスイッチと補助リレーの仕組みと構成を学び、「リレーシーケンス制御図面」を参考に、電動機の起動・停止回路を自ら組み立てます。モーターの起動停止や運転状況の監視など、色々な回路を自ら組み立てていただきます。
本研修により、シーケンス図の読解力が身につきます。2日目は、前日学んでいただいたことをもとに、回路設計、配線実習及び故障探求を行います。また給水ポンプ及び排水ポンプで使用されている液面制御リレーの使い方についても勉強します。この研修を受講することにより、より一層のシーケンス制御に対する理解度が深まります。


12.プログラマブルロジックコントローラ(PLC)制御の基礎

この研修では、PLC 制御を理解いただくために、2日間にわたり実際にプログラムを作成、入力操作を行い、実際の動作をさせてみます。
そして、最終的には歩行者用押し釦信号機を作成し、動作をさせてみます。従来のリレーシーケンス制御に比べて、非常に使いやすさが分かってくることと思います。


13.各種見学会

遅い梅雨入り宣言後の令和6年6月28日は、夏日が前日までありましたが、当日は雨模様となり、ここ甲斐国(山梨県甲府)は盆地なので、熱中症の心配もありませんでした。
初めに、1964年から富士山頂に設置されていた“富士山レーダー”(“NHKプロジェクトX”放送)が移設展示された「富士山レーダードーム館」及び富士山信仰にまつわる話や富士吉田についての「ふじさんミュージアム」(富士吉田市)を見学しました。リニューアルオープンされた「富士山レーダードーム館」では、臨場感溢れる富士山頂のご来光、ブリザードの寒さを体験しました。

令和5年度宮ケ瀬ダムと愛川ソーラーパーク見学会を開催
宮ケ瀬ダムは、横浜や川崎の市街地からおよそ40kmという近さの場所にある首都圏最大級のダム(重力式コンクリートダム)です。平成13年に神奈川県のほぼ中央を流れる相模川に注ぐ支流の一つ、中津川に完成しました。
愛川ソーラーパークは、最大出力1,896kWの神奈川県営初のメガソーラーです。
横浜スタジアムおよそ2.5個分の広さの敷地に、約8,000枚の太陽電池パネルを設置し、一般家庭520軒分の電気を作ることができます。平成25年5月に営業運転を開始しました。